当社の南部田トレンチのはぎ取り標本が書籍「熊本地震の痕跡からの学び」に掲載されました

 当社ジオエンジニアリング事業本部のロビーに常設展示されている「南部田トレンチのはぎ取り標本」(写真参考)が、2022年3月31日に発行された書籍「熊本地震の痕跡からの学び」(熊本大学くまもと水循環・減災研究教育センター 減災型社会システム部門 編)に紹介されました。
 

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 2016年の熊本地震によって活動性が高まったとされた日奈久断層帯の危険性を判断するためには、過去の活動履歴を知るための調査が必要とされ、当社は産業技術総合研究所の委託を受けてトレンチ調査を実施しました。トレンチ調査とは、断層が推定される場所に溝(トレンチ)を掘削し、壁面に現れた地層や活断層を観察して、断層の活動履歴やずれた方向を把握する調査です。
 はぎ取り標本は、トレンチ壁面を特殊な薬剤で固化した後に薄く剥がして採取します。住民の方から土地をお借りして掘削するトレンチは、調査後に埋め戻されますが、標本として採取することによって、調査終了後も観察することができます。
 当社ロビーのはぎ取り標本は、熊本県宇城市小川町南部田のトレンチから採取した縦2.60m、横2.85mの大型標本です。この標本では、約11,000年前の黒色の腐植質シルト層が活断層で逆断層方向に見かけ50cm程度ずらされており、約1,900年前の地層に覆われている様子を観察することができます。
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 「熊本地震の痕跡からの学び」は、熊本大学くまもと水循環・減災研究教育センター減災型社会システム部門の編集によって出版された書籍であり、防災・減災に対して取組むために活用されることを期待して、熊本地震で起こったこと、その痕跡、その後の調査等で明らかとなった知見などが幅広くまとめられています。
 
 はぎ取り標本は常設展示されていますのでご覧いただくことができますが、見学をご希望の場合には事前に以下まで連絡下さいますよう、お願い致します。

  ■株式会社ダイヤコンサルタント ジオエンジニアリング事業本部
   所在地 :埼玉県さいたま市北区吉野町2-272-3
   電話番号:048-654-6677(代表)
 
 当社は、今後も当社の強みである活断層調査技術を防災・減災のために活用し、人と社会と地球の安全・安心に貢献できるように、尽力してまいります。